森のようちえんを徹底解説

森のようちえん園長が教える!vol.2 野外保育?危険生物は危なくない?

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注※タイトルを『分かりまくる!vol.2 野外保育?危険生物?いろんな疑問を森のようちえん園長が徹底解説』から変更しております。

「自然の中で遊ぶのってなにがいいの?」

「ハチやヘビって危なくないの?」

 

どうも、里山保育やまぼうし園長のたける父ちゃんです。

今回のテーマは『自然』

前回の【どういう団体?無償化の対象?編】は定義や制度の話が多くて退屈だったかもしれません。

今回は具体的な保育の話になるので、ぜひ読んでいってくださいね。

それでは、はじまり、はじまり〜。

山のイラスト

門口さん、まだかなぁ。

あっ、きたきた。

どうも、お久しぶりです。

今日もよろしくお願いします。

あっ! また一人じゃないですか!

テヘッ。

やっぱりまだ聞きたいことがあったんで、一人で来ちゃいました。

そ、そうなんですね。

(本当にテヘッって言う人、はじめて見た・・・)

それじゃあ、早速はじめちゃいましょう。

(勝手に話すすめてるし・・・)

今日は自然保育について教えてほしいんです。

あ、は、はい。

自然保育ですね。

それではお話しましょう。

自然で遊ぶメリット

まず、今からお話しする事は、里山保育やまぼうしの場合ではと思ってお聞きください。

ひとくちに森のようちえんと言っても、各団体によってさまざまな思いがありますので、私がこれから言う事とは違う意見も当然あります。

実際に通われる方は、その団体の考え方も聞いてみてください。

私が、もともと森のようちえんを始めたのは、自然の中で遊ぶのってなんだか良さそうだなぁという直感からでした。

活動をはじめた最初のうちは、やっぱり自然の中って気持ちがいいなぁ、子どもたちも楽しそうだなぁという漠然とした感覚でした。

しかし、活動を続けていく中で、野外で保育するメリットを実感することができました。

それは以下の4点です。

自然の中で保育するメリット

  • 大きな声が出せる
  • 物理的に距離がとれる
  • 絶え間なく変化している
  • 無限のおもちゃ

大きな声が出せる

そんなこと? と思われるでしょうが、けっこう重要です。

子どもは大声を出すもの。

遊んでいると楽しくなっちゃうし、そもそも大きな声を出したい。

ケンカしたら、自分の主張を大声で叫びたい。(ケンカについては次回の『見守り保育編』で詳述)

しかし、室内だとけっこう声が響いて、しかもそれが大人数となると、かなりうるさい。

そしたら周りの子も、その騒音にイライラして、という悪循環が起こりやすいんです。

それが野外だと、誰かが叫んでいても、そんなに気にならない。

もちろん自然公園やキャンプ場など他のお客さんがいる場合は配慮が必要ですが。

単純な話ですが、意外とこのメリットはあなどれないと思っています。

物理的に距離がとれる

広い空間で遊んでいるから、子ども同士が自由に距離をとれます。

たとえばケンカした時でも、お互いじゅうぶんに離れて、ひとり気持ちを落ち着かせることができます。

そうやって気持ちが落ち着くと、自然と近づいて、いつの間にか仲直りして、また一緒に遊び出す。

そんな光景を何度も見てきました。

道端で泣く

絶え間なく変化している

自然の中には虫がいて、鳥が飛び、草が生え、花が咲き、石が転がっています。

しかもそれは日々変化しています。

季節によって出会う虫や咲く花は違うし、昨日あった枝が、明日は折れていたりします。

そうした自然界にあるものは子どもたちの興味をすごくひきます

しかも日々変化するから飽きがこない。

子どもたちの好奇心をくすぐるものが満ちあふれています。

無限のおもちゃ

石や枝や草花は、ごっこ遊びのいい材料です。

それらを何かに見立てて、遊びにのめり込む姿は、感動さえします。

しかも材料はいたるところ、探せばすぐに見つかります。

それでも、ひとつの枝をめぐってケンカが起こる時もあります。

子どもたちにとっては、同じ枝は二つとなく、それぞれ違うものなんですね。

室内や園庭だと、子どもたちが興味関心を持てるように、保育環境を整えるのに苦心されています。

しかし、自然の中へ行けば、ステキな環境がすでに用意されているんです。

しかも、とっても魅力的で、数もじゅうぶん。

こんないい保育環境を利用しない手はないと思います。

木の実

危険生物について

メリットはよく分かりました。

でも危険もあるでしょう?

たとえばハチとかヘビとか・・・。

そうですね。

そのあたりもお答えしましょう。

自然の中で遊んでいると、ハチやマムシ、ムカデなどいわゆる危険生物と呼ばれる生き物に出会う可能性はもちろんあります

ここでは、やまぼうしにおける危険生物への態度対応について説明します。

危険生物への態度

危険生物に出会うことはデメリットだけではないと考えています。

生きやすい生き方とは

私たちは生きていく中で、かならず嫌いな人や苦手な人に出会います。

それは人に限らず、苦手な場所だったり、嫌いな物だったり、それこそ危険生物だってその分類に入るでしょう。

自分に好ましくない存在なんて山ほどあります。

では、そうした存在を排除していく生き方がいいのかと問うと、「そうだ!」とは言い切れません。

そうした生き方をするという事は、極端に言えば、自分と同じ考え方の人だけが仲間で、違う考え方の人は敵というものになってしまいます。

かと言って、自分の意見を圧し殺して、周りに合わせてばかりでも、それはそれでつらいものです。

生きやすく生きるためには、そのバランス感覚が必要だと思うのです。

危険生物との共存

子どもたちが危険生物と同じフィールドで過ごすという事は、こうした自分に好ましくない異質な存在とともに生きるという事だと思うのです。

同じフィールドにいるけれど、うまい具合に距離をとって、テリトリーを侵さないように配慮する。

もし出会ってしまっても、ぶつかり合わないように対応して、難を逃れるよう努力する。

これは嫌いな人、苦手な人への対応の基本ではないでしょうか。

子どもたちは、こうした生きる上で必要なスキルを知らず知らずのうちに身に着けているのではないかと思います。

そもそも危険生物とは、私たちから見て危険なだけで、ハチやマムシからすれば、「俺たちは危険だぜ」という認識はさらさらないわけです。

本来、彼ら彼女らのフィールドである森や山に、私たちがお邪魔させてもらっているという感覚は忘れてはいけません。

自然への畏怖があれば、ハチやマムシなどにも敬意を払えるし、共存しようと思えます。

子どもに直接、このように話すわけではありませんが、大人のこうした心持ちは、子どもたちにも何らかのかたちで伝わるものだと思っています。

大木を囲む

危険生物への対応

かと言って、こうした思想だけでは身を守れません。

もちろん具体的な対策が必要です。

やまぼうしで行っている対策から以下の生物をとりあげます。

  1. スズメバチ
  2. マムシ

この2つの生物は危険生物界における年間死亡者数トップ2です。

No.1はスズメバチで、年間20〜30件ほど。

No.2はマムシで年間10件ほど。

絶対に押さえて置かなければいけない案件です。

対策の基本は以下の3つに分類されます。

  1. 出会う前の予防策
  2. 出会った時の対処
  3. 危害を加えられた時の対処

 

スズメバチ対策

刺される前の予防

  • 長袖長ズボンの着用(肌の露出を極力抑える。これはスズメバチに限らず野外活動での基本
  • 帽子の着用(これも基本。頭部の保護。またスズメバチは黒いものに襲いかかる傾向があるため、黒い髪を隠す意味もある)

ハチを見つけた時の対処

  • 単体のスズメバチを見つけたら、その場でしゃがみ(動くものに攻撃する習性があるため)、目をつぶり(黒目に攻撃してくる可能性があるため。または子どもたちが目の前でハチを見て怖がるのを防ぐため)、耳をふさいで(羽音に怖がるのを防ぐため)、スズメバチが飛び去るのを待つ。こちらから攻撃しない限り、単独飛行中のスズメバチはまず攻撃してこない
  • スズメバチが地面から出てくるのを見つけた時は、即座にその場から静かに離れる。(地中に巣がある可能性が高いため)
  • 二匹以上のスズメバチを同時に見た時も、即座に離れる。(近くに巣がある可能性が高いため。基本的に飛行中のスズメバチは単独行動)

刺された時の対処

  • 即座にその場から離れる。(刺した時に敵だというにおいをつけて、仲間を呼び集団で襲ってくるため)
  • 救急車を呼び、水で洗い流し、抗ヒスタミン剤を塗る。その後、ポイズンリムーバーをしたり、冷やしたりと対処する。
  • 刺されてから15分以内にアナフィラキシー症状が出る可能性が高いため、経過観察を怠らない。
  • 全身のじんましん、呼吸困難、おう吐などの症状が出れば、アナフィラキシーショックを起こしていると判断する。
  • アナフィラキシーを起こした患者は仰向けに寝かせて、救急車を待つ。意識がなく呼吸が止まった場合はただちに心肺蘇生法を実施する。

マムシ対策

かまれる前の予防

  • 長袖長ズボンの着用。(スズメバチ対策と同じ)
  • 長靴、スニーカー、登山靴などしっかりとした靴の着用。(マムシの毒牙は4mmほど。足をかまれた時に牙を貫通させないため。サンダルなどは論外
  • 草むらに入らない。(山だけでなく、田んぼのあぜ道などにもいるため、農道だろうと草が生い茂っているところには入らない。基本的にマムシはじっとしている。それに気づかずに近づきすぎたり、踏んだりしてかまれるというものが多い)

マムシを見つけた時の対処

  • マムシに限らず、ヘビを見つけたら、そっとしておく。(マムシかどうかの判断をあやまる危険性は大いにある。またヤマカガシという他の毒蛇もいるので、ヘビ全般に対して同じ対応をする。本土にいるヘビはこちらが攻撃しない限り、攻撃してくることはまずない
  • トカゲの尻尾だと思っても、全体が見えるまでは触らない。幼体のマムシの尻尾をトカゲと間違えて捕まえようとしてかまれた事例がある)

かまれた時の対処

  • 即座に救急に通報。救急車が入ってこられない場所にいる時は、救急車が来られる場所まで移動する。もし、その距離が遠い場合は、安静にするより、走ってでもなるべく早く病院へ行くことを最優先する。
  • かまれた幹部がものすごく腫れるため、腕時計やベルトなど締め付けるものは外しておく。

危険生物の知識を深めたい方へ

ありがとうございました。

ハチやマムシの事をもっと詳しく知りたいのですが、オススメの本とかってあります?

はい。それじゃあ、私がオススメする著者を紹介しましょう。

西海さんとは

西浦太介(にしうみだいすけ)さんです。

一般社団法人セルズ環境教育デザイン研究所の代表理事・所長をされていて、いわば危険生物のエキスパートです。

私は、体験活動リーダーズアカデミー(プラムネット株式会社)が主催する危険生物オンラインセミナーを受講して、西海さんと出会いました。

この記事の危険生物についても、多くは西海さんから学んだものです。

西海さんは、「現象には必ず理由がある」と言います。

ハチが刺し、マムシがかむのにも彼ら彼女らなりの理由があります。

そして、そうした生き物たちの理由、つまり彼ら彼女らの生態を知れば、危険は回避できると。

オンラインセミナーでは、ハチ、マムシ以外にもたくさんの生き物が取り上げられました。

2時間しかなく、あっという間に終わってしまいましたが、納得いくことがたくさんあり、怖いと思っていた危険生物に対しても愛着がわいてきました。

何よりもこれらの生き物についてもっと知りたいと思いました。

内容も良かったのですが、一番印象に残ったのは西海さんの人柄です。

生き物の話をする西海さんは、とても嬉しそうで、本当に生き物が好きなんだなぁと感じました。

女の子が飲んでいた缶の中に小さなクロスズメバチが入り、そのまま飲んでしまって口の中を刺された話を、興奮しながら話された時は、「いやいや、ぜんぜん笑えないんですけど・・・怖いんですけど・・・」と思いましたが、それも生物愛が強すぎるがゆえの興奮なんだなと、逆に好印象でした。

人に危害を加えるから悪い生き物ではなく、悪い良いをこえて、その生き物を深く知り、愛する。

学ぶべきものが多い、実りある時間でした。

そんな西海さんの書籍です。

危険生物の本オススメ3選

国内の危険な動植物50種を掲載。

ハチやヘビに関してはスズメバチ、アシナガバチ、マムシ、ハブなどそれぞれの種類ごとに数ページを割いています。

イラストも多くて、分かりやすい。

こちらはハチとヘビだけで160ページ。

「子どもにも教えたい」とありますが、専門的で深い内容となっていて、大人が読むにも最適です。

子ども向けにはこちら。

 好奇心をくすぐるイラストやレイアウトで、楽しみながら危険生物について学べます。

夕方

カーカーカーカー

やっぱり、こんな時間になってしまいましたね。

本当ですね。

今回もすっかり話しこんでしまいました。

では、今日はこのへんで帰ります。

(も、もう悪びれる様子もない・・・)

次こそは、子どもを連れてきますから。

その時はよろしくお願いしますね。

(あっ、また来るのは確定しているのね)

はい、今度こそ、お子さんを連れてきてくださいね。

それでは、さようなら。

ふー、今日もたくさん話したなぁ。

しかし、門口さんはどうして、また一人で来たんだろう?

まさか、実は子どもがいないなんて事もないだろうし。

ん?

あれ?

まてよ・・・・・・

まさか・・・・・・

私に・・・会いに・・・

くる・・・

ため・・・

本日のおさらい

本日のおさらい

  • 自然の中で遊ぶのは、単純だけれど、あなどれないメリットがある。
  • 危険生物も生態を知れば、危険は回避できる。
  • 西海さんの生き物への愛は計り知れない。

次回予告

オッス!オラ、たける父ちゃん。

どうやらたえ子さんは、オラに気があるみたいなんだ。

オラ、なんだかワクワクしてきたぞ。

次回、『たける父ちゃん、色気を出す』園長が教える!見守る保育編

ぜったい見てくれよな。

 

 

 

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