注※タイトルを『分かりまくる!どういう団体?園舎がない?無償化の対象?そんな疑問を森のようちえん園長が徹底解説』から変更しております。
「森のようちえんってどういう団体?」
「園舎がないって聞いたけど、ほんとう?」
「幼児教育無償化の対象にはなるの?」
どうも、里山保育やまぼうし園長のたける父ちゃんです。
第一回目はどういう団体なのか?無償化の対象なのかをお話します。
第二回以降は、自然保育・見守り保育などについて書いていくので、こうご期待。
森のようちえん歴三年目の新米園長ですが、最後までお読みいただければ幸いです。
それでは、はじまり、はじまり〜。
実は今日、見学の方が来るはずなんですが・・・
あっ、あの方かな?
あれ?ちらっとこっちは見たけれど、目をそらされたなぁ。
通り過ぎて行ったし。
違うのかなぁ?
でも誰かを探しているみたいだしなぁ。
声をかけてみようか。
間違っていたらすみません。
もしかして、やまぼうしに見学に来られた方ですか?
はい、園長の若林と言います。
みんなにはたける父ちゃんと呼ばれています。
どうぞ、よろしくおねがいします。
はじめまして、門口たえ子と申します。
こちらこそ、よろしくお願いします。
あぁ、びっくりした。
なんでこんなところに縄文人がいるんだろうと思ったんです。
きっと関わってはいけない人だと避けていたんですけど。
まさか園長さんだったとは。
あっははははははは。
・・・・・・。
(い、いきなり縄文人あつかい?!
めっちゃ笑ってるし。
ん、あれ?)
あっ、今日はひとりなんです。
質問したいことがたくさんあって、とりあえずいろいろ聞いてからかなぁと思いまして。
そ、そうなんですか。
わ、わかりました。
それじゃあ・・・お話しましょうか。
(こりゃあ、すごい人が来たぞ・・・)
そもそも森のようちえんってなんだ?
ではさっそく。
そもそも森のようちえんってなんですか?
いえいえ、大丈夫ですよ。
それでは説明いたしましょう。
『森』と『ようちえん』の定義
『森のようちえん』とは、自然の中で保育する団体の総称であって、許可が必要だったり、どこかへ届け出を提出したりしているわけではありません。
だから『森』は、森に限らず山、自然公園、川、海、都市公園なども含みます。
それぞれの団体は各地域にある自然環境を活用しています。
やまぼうしでも、さまざまな場所で遊んできましたが、一番いいと感じているのは、自然公園やキャンプ場などの、ある程度整備されているところです。
はじめは手つかずの自然がいいと思っていたのですが、実際に活動してみると、そんなところは危なっかしくて、おちおち遊んでいられません。
自然を甘くみていました。
『ようちえん』も幼稚園に限らず、こども園、保育所、認可外保育施設、自主保育など、さまざまな形態で活動しています。
『日常型』と『イベント型』
形態の違いから『日常型』と『イベント型』に区別されることもあります。
『日常型』は週に4,5日(各団体によって活動日数に差異あり)子どもを預かって野外で保育する団体を言います。
『イベント型』は自然体験活動団体が行う単発のイベントだったり、既存の幼稚園や保育所がカリキュラムのひとつとして行う野外活動などを言います。
NPO法人・森のようちえん全国ネットワーク連盟
森のようちえん全国ネットワーク連盟(以下、全国ネットワーク)のお話もしておきましょう。
全国の森のようちえんをつなげる形で、任意団体として発足した団体です。
全国フォーラムなどを開催し、各地の団体の交流やネットワーク作りを推進してきてくれました。
2016年からNPO法人化し、森のようちえんについて学びたい人への研修会、団体安全認証制度の開始など、全国の森のようちえん実践者をサポートしてくれています。
園舎がないって本当?
森のようちえんには園舎がないって聞いたんですが、本当なんですか?
園舎がある団体とない団体
正確には、園舎がある団体とない団体があります。
『イベント型』では、既存の幼稚園や保育所などはもちろん園舎がありますし、自然体験活動団体主催のイベントでしたら、園舎はないでしょう。
『日常型』では、認可外保育施設は園舎がある団体が多いでしょう。
また最近増えてきている地方裁量型認定こども園や企業主導型保育所の森のようちえんは、設置基準から必ず園舎があります。
NPO法人や一般社団法人、任意団体では園舎をもたない団体もあります。
認可外保育施設とは
認可をうけていない保育施設。
こう書くと、なんだか法律を犯しているようなイメージを与えそうだが、平成14年から届け出が必要となり、都道府県または指定都市・中核市から許可を得て運営している。
認可園に比べると緩やかだが、設置基準もあり、年に一度の監査もある。
以前は無認可保育施設とも呼ばれ、その名称からのマイナスイメージは計り知れない。
もっといい呼び名はないものかと思う今日このごろ。
ちなみに里山保育やまぼうしは、認可外保育施設として運営している。
地方裁量型こども園とは
平成27年から始まった子ども子育て新制度で設定。
幼稚園・保育所いずれの認可も受けていない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たすタイプ。
このタイプの森のようちえんでは、全国ネットワーク理事長の内田幸一さんが園長をつとめる『野遊び保育みっけ』が有名。
企業主導型保育所とは
簡単に言えば会社が作る保育所。
行政的には認可外保育施設と同じ位置づけですが、国から認可園なみの補助金が受けられるのが大きな特徴。
平成28年から始まった制度。
この形態の森のようちえんはまだまだ少ないが、滋賀県の『えくぼ保育園』がある。
園舎の必要性
園舎がないと聞くと、驚かれる方も多いと思います。
しかし、そもそも園舎の重要性が一般的なイメージと森のようちえんとでは大きく違います。
一般的なイメージでは、保育時間の大半を園舎や園庭で過ごすというものでしょう。
しかし、森のようちえんでは大半を野外で過ごします。
雨の日も基本的にはレインコートを着て野外です。
もちろん雨の強弱や季節に合わせて、室内で遊んだり、早めに戻ってきたりします。
冷えすぎた場合は足湯や、時にはお風呂に入って温まったりもします。
園舎でする事と言えば、やまぼうしの場合だと、外で遊べないぐらいの大雨や、イベント時に使ったり、ごはんつくりの日に庭で火をおこしたりする時に利用しています。
だから、園舎がない団体でも、キャンプ場などが使えればイベントもできるし、火も使えます。
大雨の日も避難場所や活動場所をあらかじめ確保していれば、園舎がなくても問題ありません。
しかし、私は園舎を持っていてよかったと思うこともあります。
それは以下の3点です。
園舎を持つメリット
- 大雨時に確実に避難でき、活動できる場所がある安心感。
- 認可外保育施設の申請がおりやすい。(【幼児教育無償化について】で詳述)
- 拠点があることで地域の方や保護者に安心されやすい。
幼児教育無償化について
よくわかりました。
もうひとついいですか?
森のようちえんは幼児教育無償化の対象にはなるんでしょうか?
それでは、まずはご存知かもしれませんが、無償化対象の確認から。
| 3〜5歳児クラス | 0〜2才児クラス |
地方裁量型認定こども園 企業主導型保育所 などの認可園 | 無償化対象 | 非課税世帯のみ無償化対象 |
認可外保育施設 | 保育が必要と認定された子のみ対象 上限37,000円/月 | 非課税世帯のみ対象 上限42,000円/月 |
森のようちえんが無償化の対象になりにくい理由
『日常型』森のようちえんは、任意団体、NPO法人、一般社団法人または認可外保育施設などさまざまなかたちで運営されています。
無償化の制度が開始される前、こうした団体の中には無償化の対象となるように、行政に認可外保育施設の届け出を提出した団体もありました。
認可外保育施設以外だと完全に無償化の対象から外れるからです。
しかし届け出が受理されなかったという声が各地域からあがってきました。
どうやら園舎がないからというのが一番の理由らしいのです。
あいにく、やまぼうしは自宅の一部を園舎としているので、認可外保育施設として受理されました。
申請した時に、担当の方にこのことをお伝えすると、驚かれていました。
そもそも認可園など以外の保育施設は認可外保育施設として届け出する義務があるのです。
義務なのに受理しないのはおかしいと。
行政側からすれば、認可外保育施設として受理して監督するほうが、勝手に何かをされるよりも安心だし、そのための義務なのにおかしいと言われていました。
全国ネットワークの動きが制度を変えた
この案件には全国ネットワークも動きました。
各都道府県で保護者代表をつのり、全国で署名を集め、国に提出しました。
また議員向けの勉強会を開くなど、森のようちえんの理解を得るために尽力していただきました。
その成果、厚生労働省が出した『幼児教育・保育の無償化に関する自治体向けFAQ【2019年9月13日版】』には、「園舎でない場所を主な活動拠点とする自然保育等についても、保育の実態があるなどの要件を満たす場合は、児童福祉法に基づく認可外保育施設の届け出の対象となり、無償化の対象となる」ことが明示されました。
認可外保育施設としての問題点
これで認可外保育施設化できる森のようちえんが増えて万々歳、というわけにはいかないのです。
認可外保育施設で無償化の対象となるのは、保育が必要と認められた子どもだけ。
いわゆる、3〜5歳児クラスは新2号認定。
0〜2才児クラスは新3号認定です。
そのためには所定の労働条件を満たしていなければなりません。
その中でも大きな要因となるのは労働時間です。
この労働時間、各市町村で時間が違うんですね。
ざっと調べてみると、少ないところでは48時間/月。
多いところでは64時間/月。
森のようちえんの中には、保育所なみに預かってくれるところもありますが、幼稚園ぐらいの預かり時間のところがほとんどです。
やまぼうしでも9時30分〜14時30分が基本で、延長保育も16時までです。
延長保育をしていない団体も多くあります。
また夏休みなどの長期休み中は仕事を休むか、他の預け先を探さなければいけません。
森のようちえんに子どもを預けて働き、無償化の対象になろうと思うと、これらの条件を組んでくれる職場を見つけなければいけません。
そう言われると、けっこう大変そうですね。
認可園は無条件で無償化なのに、認可外保育施設だけそうした条件があるのも、疑問を感じます。
そうなんです。
やはり不公平を感じぜずにはおられません。
カーカーカーカー
本当ですね。
すみません、たくさん話しちゃって・・・。
いえいえ、いいんですよ。
(こんなに長くなるとは思ってなかったなぁ・・・)
本当はもっと聞きたいことがあったんですけど、今日はこれで帰ります。
あのぉ・・・また来てもいいですか?
ええ、もちろんです。
今度はお子さんもご一緒にどうぞ。
なんだかんだと言って、実際の子どもたちの姿を見てもらうのが一番いいと思うので。
ぜひ、お子さんと一緒に体験参加してくださいね。
はい、分かりました。
それじゃあ、本日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
では、さようなら。
本日のおさらい
本日のおさらい
- 森のようちえんとは、山や海や自然公園などの中で保育をするさまざまな形態の団体である。
- 園舎がなくても、大雨時などの対策を事前にしていれば問題なし。
- 幼児教育無償化の対象となる団体も増えてきているが、問題点も残っている。
森のようちえんを徹底解説
森のようちえん園長が教える!vol.1 どんな団体?無償化の対象?
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もくじ
注※タイトルを『分かりまくる!どういう団体?園舎がない?無償化の対象?そんな疑問を森のようちえん園長が徹底解説』から変更しております。
「森のようちえんってどういう団体?」
「園舎がないって聞いたけど、ほんとう?」
「幼児教育無償化の対象にはなるの?」
どうも、里山保育やまぼうし園長のたける父ちゃんです。
第一回目はどういう団体なのか?無償化の対象なのかをお話します。
第二回以降は、自然保育・見守り保育などについて書いていくので、こうご期待。
森のようちえん歴三年目の新米園長ですが、最後までお読みいただければ幸いです。
それでは、はじまり、はじまり〜。
実は今日、見学の方が来るはずなんですが・・・
あっ、あの方かな?
・・・・
あれ?ちらっとこっちは見たけれど、目をそらされたなぁ。
通り過ぎて行ったし。
違うのかなぁ?
でも誰かを探しているみたいだしなぁ。
声をかけてみようか。
あのぉ。
は、はい!
間違っていたらすみません。
もしかして、やまぼうしに見学に来られた方ですか?
えっ!は、はい。そうです。
それじゃあ、あなたが。
はい、園長の若林と言います。
みんなにはたける父ちゃんと呼ばれています。
どうぞ、よろしくおねがいします。
はじめまして、門口たえ子と申します。
こちらこそ、よろしくお願いします。
あぁ、びっくりした。
なんでこんなところに縄文人がいるんだろうと思ったんです。
きっと関わってはいけない人だと避けていたんですけど。
まさか園長さんだったとは。
あっははははははは。
・・・・・・。
(い、いきなり縄文人あつかい?!
めっちゃ笑ってるし。
ん、あれ?)
今日はお子さんは?
あっ、今日はひとりなんです。
質問したいことがたくさんあって、とりあえずいろいろ聞いてからかなぁと思いまして。
そ、そうなんですか。
わ、わかりました。
それじゃあ・・・お話しましょうか。
(こりゃあ、すごい人が来たぞ・・・)
そもそも森のようちえんってなんだ?
ではさっそく。
そもそも森のようちえんってなんですか?
いきなり、ド直球ですね・・・。
すみません。
こういう性格なんです。
いえいえ、大丈夫ですよ。
それでは説明いたしましょう。
『森』と『ようちえん』の定義
『森のようちえん』とは、自然の中で保育する団体の総称であって、許可が必要だったり、どこかへ届け出を提出したりしているわけではありません。
だから『森』は、森に限らず山、自然公園、川、海、都市公園なども含みます。
それぞれの団体は各地域にある自然環境を活用しています。
やまぼうしでも、さまざまな場所で遊んできましたが、一番いいと感じているのは、自然公園やキャンプ場などの、ある程度整備されているところです。
はじめは手つかずの自然がいいと思っていたのですが、実際に活動してみると、そんなところは危なっかしくて、おちおち遊んでいられません。
自然を甘くみていました。
『ようちえん』も幼稚園に限らず、こども園、保育所、認可外保育施設、自主保育など、さまざまな形態で活動しています。
『日常型』と『イベント型』
形態の違いから『日常型』と『イベント型』に区別されることもあります。
『日常型』は週に4,5日(各団体によって活動日数に差異あり)子どもを預かって野外で保育する団体を言います。
『イベント型』は自然体験活動団体が行う単発のイベントだったり、既存の幼稚園や保育所がカリキュラムのひとつとして行う野外活動などを言います。
NPO法人・森のようちえん全国ネットワーク連盟
森のようちえん全国ネットワーク連盟(以下、全国ネットワーク)のお話もしておきましょう。
全国の森のようちえんをつなげる形で、任意団体として発足した団体です。
全国フォーラムなどを開催し、各地の団体の交流やネットワーク作りを推進してきてくれました。
2016年からNPO法人化し、森のようちえんについて学びたい人への研修会、団体安全認証制度の開始など、全国の森のようちえん実践者をサポートしてくれています。
園舎がないって本当?
森のようちえんには園舎がないって聞いたんですが、本当なんですか?
お答えしましょう。
園舎がある団体とない団体
正確には、園舎がある団体とない団体があります。
『イベント型』では、既存の幼稚園や保育所などはもちろん園舎がありますし、自然体験活動団体主催のイベントでしたら、園舎はないでしょう。
『日常型』では、認可外保育施設は園舎がある団体が多いでしょう。
また最近増えてきている地方裁量型認定こども園や企業主導型保育所の森のようちえんは、設置基準から必ず園舎があります。
NPO法人や一般社団法人、任意団体では園舎をもたない団体もあります。
認可外保育施設とは
認可をうけていない保育施設。
こう書くと、なんだか法律を犯しているようなイメージを与えそうだが、平成14年から届け出が必要となり、都道府県または指定都市・中核市から許可を得て運営している。
認可園に比べると緩やかだが、設置基準もあり、年に一度の監査もある。
以前は無認可保育施設とも呼ばれ、その名称からのマイナスイメージは計り知れない。
もっといい呼び名はないものかと思う今日このごろ。
ちなみに里山保育やまぼうしは、認可外保育施設として運営している。
地方裁量型こども園とは
平成27年から始まった子ども子育て新制度で設定。
幼稚園・保育所いずれの認可も受けていない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たすタイプ。
このタイプの森のようちえんでは、全国ネットワーク理事長の内田幸一さんが園長をつとめる『野遊び保育みっけ』が有名。
企業主導型保育所とは
簡単に言えば会社が作る保育所。
行政的には認可外保育施設と同じ位置づけですが、国から認可園なみの補助金が受けられるのが大きな特徴。
平成28年から始まった制度。
この形態の森のようちえんはまだまだ少ないが、滋賀県の『えくぼ保育園』がある。
園舎の必要性
園舎がないと聞くと、驚かれる方も多いと思います。
しかし、そもそも園舎の重要性が一般的なイメージと森のようちえんとでは大きく違います。
一般的なイメージでは、保育時間の大半を園舎や園庭で過ごすというものでしょう。
しかし、森のようちえんでは大半を野外で過ごします。
雨の日も基本的にはレインコートを着て野外です。
もちろん雨の強弱や季節に合わせて、室内で遊んだり、早めに戻ってきたりします。
冷えすぎた場合は足湯や、時にはお風呂に入って温まったりもします。
園舎でする事と言えば、やまぼうしの場合だと、外で遊べないぐらいの大雨や、イベント時に使ったり、ごはんつくりの日に庭で火をおこしたりする時に利用しています。
だから、園舎がない団体でも、キャンプ場などが使えればイベントもできるし、火も使えます。
大雨の日も避難場所や活動場所をあらかじめ確保していれば、園舎がなくても問題ありません。
しかし、私は園舎を持っていてよかったと思うこともあります。
それは以下の3点です。
園舎を持つメリット
幼児教育無償化について
よくわかりました。
もうひとついいですか?
森のようちえんは幼児教育無償化の対象にはなるんでしょうか?
それでは、まずはご存知かもしれませんが、無償化対象の確認から。
企業主導型保育所
などの認可園
無償化対象
非課税世帯のみ無償化対象
上限37,000円/月
上限42,000円/月
森のようちえんが無償化の対象になりにくい理由
『日常型』森のようちえんは、任意団体、NPO法人、一般社団法人または認可外保育施設などさまざまなかたちで運営されています。
無償化の制度が開始される前、こうした団体の中には無償化の対象となるように、行政に認可外保育施設の届け出を提出した団体もありました。
認可外保育施設以外だと完全に無償化の対象から外れるからです。
しかし届け出が受理されなかったという声が各地域からあがってきました。
どうやら園舎がないからというのが一番の理由らしいのです。
あいにく、やまぼうしは自宅の一部を園舎としているので、認可外保育施設として受理されました。
申請した時に、担当の方にこのことをお伝えすると、驚かれていました。
そもそも認可園など以外の保育施設は認可外保育施設として届け出する義務があるのです。
義務なのに受理しないのはおかしいと。
行政側からすれば、認可外保育施設として受理して監督するほうが、勝手に何かをされるよりも安心だし、そのための義務なのにおかしいと言われていました。
全国ネットワークの動きが制度を変えた
この案件には全国ネットワークも動きました。
各都道府県で保護者代表をつのり、全国で署名を集め、国に提出しました。
また議員向けの勉強会を開くなど、森のようちえんの理解を得るために尽力していただきました。
その成果、厚生労働省が出した『幼児教育・保育の無償化に関する自治体向けFAQ【2019年9月13日版】』には、「園舎でない場所を主な活動拠点とする自然保育等についても、保育の実態があるなどの要件を満たす場合は、児童福祉法に基づく認可外保育施設の届け出の対象となり、無償化の対象となる」ことが明示されました。
認可外保育施設としての問題点
これで認可外保育施設化できる森のようちえんが増えて万々歳、というわけにはいかないのです。
認可外保育施設で無償化の対象となるのは、保育が必要と認められた子どもだけ。
いわゆる、3〜5歳児クラスは新2号認定。
0〜2才児クラスは新3号認定です。
そのためには所定の労働条件を満たしていなければなりません。
その中でも大きな要因となるのは労働時間です。
この労働時間、各市町村で時間が違うんですね。
ざっと調べてみると、少ないところでは48時間/月。
多いところでは64時間/月。
森のようちえんの中には、保育所なみに預かってくれるところもありますが、幼稚園ぐらいの預かり時間のところがほとんどです。
やまぼうしでも9時30分〜14時30分が基本で、延長保育も16時までです。
延長保育をしていない団体も多くあります。
また夏休みなどの長期休み中は仕事を休むか、他の預け先を探さなければいけません。
森のようちえんに子どもを預けて働き、無償化の対象になろうと思うと、これらの条件を組んでくれる職場を見つけなければいけません。
そう言われると、けっこう大変そうですね。
認可園は無条件で無償化なのに、認可外保育施設だけそうした条件があるのも、疑問を感じます。
そうなんです。
やはり不公平を感じぜずにはおられません。
確かに。
私もそう思います。
カーカーカーカー
あれっ、もうこんな時間ですね!
本当ですね。
すみません、たくさん話しちゃって・・・。
いえいえ、いいんですよ。
(こんなに長くなるとは思ってなかったなぁ・・・)
本当はもっと聞きたいことがあったんですけど、今日はこれで帰ります。
あのぉ・・・また来てもいいですか?
ええ、もちろんです。
今度はお子さんもご一緒にどうぞ。
なんだかんだと言って、実際の子どもたちの姿を見てもらうのが一番いいと思うので。
ぜひ、お子さんと一緒に体験参加してくださいね。
はい、分かりました。
それじゃあ、本日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
では、さようなら。
本日のおさらい
本日のおさらい
次回予告
私、門口たえ子、31歳♡
子どもの幼稚園探しに悩む、けなげな専業主婦なの。
森のようちえんがいいって聞いたけど、自分で確認しないと気がすまないわ。
次も子ども置いて、ひとりで行って質問しまくっちゃうんだから。
次回
『たえ子、ふたたび』『園長が教える!野外保育編』ぜったい見てくださいネ♪
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